性交痛とは
まずはこのページ内における性交痛の定義について整理しておきましょう。
性交痛とは、“セックス中やその後に感じる痛み”のことです。
性交時に痛みを感じる場所
性交痛で痛む場所は、主に「膣の入口部分」と「膣の中やお腹の奥」の2箇所になります。
①膣の入り口が痛い
膣の入り口が痛いケースの性交痛は、下記が原因として考えられます。
- 腟炎や外陰炎の可能性
- 外陰部や膣の乾燥・萎縮、潤滑不足
- 処女膜の伸びが悪い
- トラウマなどの精神的な恐怖や緊張など
が原因として考えられます。
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②膣の奥が痛い
膣の奥が痛いケースでは、子宮内膜症や骨盤内感染症などの可能性があります。
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性交痛の原因
性交痛の原因は主に下記の6つに分類されます。
- 炎症・感染症
- 粘膜の萎縮・菲薄
- 解剖的・構造的な要因
- 体位やテクニックの問題
- 心因性・心理的因子
- 薬剤・ホルモン関係
炎症・感染症
さまざまな要因で炎症や感染が起き、性交時の刺激で痛みを誘発するものです。
- ナプキン・衣類などの接触による接触性皮膚炎
- バルトリン腺嚢胞
- 陰部の感染症(梅毒、カンジダ、ヘルペス、トリコモナス、細菌、コンジローマなど)
- ラテックス(天然ゴム)アレルギー
粘膜の萎縮・菲薄(ホルモン低下・萎縮性変化など)
膣内の粘膜が薄くなったり潤いが足りないことで、ペニスを挿入した際の摩擦などで痛みが生じます。
- 産後のホルモンバランスの変化
- 女性ホルモンの減少による膣粘膜の萎縮(特に更年期以降に起こりますが、若い方にも起こることがあります)
- 細胞内の水分保持量の低下(特に更年期以降)
- 潤滑不足
- 前戯不足
- ストレス
若い方でも女性ホルモンが減少していたり、血流が悪い状態が続くと、膣粘膜の萎縮や乾燥、潤滑不足が起こって性交痛が起こることがあります。月経量が少なかったり、月経周期の乱れのある人は要注意です。
解剖的・構造的な要因(処女膜強靭症、癒着、腫瘍、筋肉緊張 など)
そもそも処女膜が厚かったり膣自体が狭いといった、構造的な問題も性交痛の原因となりえます。
- 子宮内膜症・子宮筋腫・卵巣腫瘍:病変や癒着が膣の奥の方で起きていると、お腹の奥での痛みを感じやすい
- 性交経験の少なさによる処女膜の伸びの悪さ:膣を伸縮させていないことで、処女膜の伸びの悪さにつながり、挿入時の痛みが生じることがある
- 処女膜強靭症:処女膜が分厚くて固く、膣の入口が狭くなっている場合は処女膜強靭症。指を入れると痛い、指の挿入すらできない場合は処女膜強靭症の可能性あり
- 小陰唇や陰毛が挿入時に巻き込まれることで生じる痛み:小陰唇が大きかったり、陰毛が膣口の近くまであったりする場合、挿入時にペニスとともに巻き込まれることで、痛みが生じる
上記の②~④は膣の入口の痛み、①は膣の奥や下腹部痛の原因となります。
体位やテクニックの問題
相手がAVなどで間違ったテクニックを学んで激しい動きをすることで、痛みが生じることがあります。
また、子宮の位置が背中側に傾いている(子宮後屈)だと、男性器が奥に当たった場合、膣の奥や下腹部が痛む場合があります。
心因性・心理的因子
セックスに対する不安・緊張が膣口のリラックスを妨げて膣が狭くなり、挿入時の摩擦が大きくなるということを繰り返すことで、性交痛になるケースがあります。
膣の入口が摩擦で傷がつき、ますます痛くなる+ますます力が入るという悪循環を生みます。以下が心理的背景と思われるものです。
- 性や恋愛に関するトラウマがある
- 「痛い」「怖い」といったセックスに対するネガティブなイメージ
- パートナーとの関係に悩んでいる
- 妊娠や性感染症の不安がある
薬剤・ホルモン関係
低用量ピルや黄体ホルモン製剤を服用している場合に、それらが性交痛の原因となる場合があります。
主な原因は2つあります。ピルの種類によっては、体内の男性ホルモン『テストステロン』の働きが抑えられることで、性的な興奮を感じにくくなり、結果として腟の潤滑液(愛液)が分泌されにくくなります。
もう一つは、ピルによって排卵が抑制されることで、本来排卵期に高まるはずのエストロゲンの作用が抑えられて、腟の粘膜が薄くなったり、乾燥しやすくなったりすることがあります。
性交痛の診断・検査プロセス
問診で確認すべき項目
- いつから痛いのか
- 痛みの状況(どのくらい、どんな時に、どのくらい続いているのか、毎回かなど)
- 既往歴
- マスターベーションを含む性経験
- トラウマ歴
- 現在のパートナーの状況(二人の関係性、治療に協力的か)
といった情報の聞き取りを丁寧に行います。
身体診察・婦人科的観察
ドクターによる視診や触診、膣協検査等を行いますが、診察を受けることが怖すぎて触診や視診が難しい場合は問診のみで終わることもあります。
各種検査(感染症検査、超音波、MRI/CT 必要時、ホルモン検査など)
基本的には超音波検査を行い、子宮や卵巣の状態に異常がないか確認します。何か異常が見られる場合はMRI/CTの検査を受けていただきます。必要に応じて性感染症検査やホルモン検査を行います。
鑑別診断
超音波検査や視診の結果、子宮筋腫の有無や子宮内膜などの子宮の状態についてすぐにわかることはその場でお伝えしますが、子宮頸がんや体がん検診、ホルモン検査の場合は検査会社からの結果待ちとなりますので、後日お伝えする形になります。
治療方針の決定
妊娠を希望しているのか(性交による妊娠を希望しているのか、シリンジ法や人工授精、体外受精でも良いのか)、婦人科診察をスムーズに受けられることを目標としているのか、性交ができることを目標にしているのかを確認、相談し、今後の治療スケジュールについて話し合いをします。
ご予約はこちらから性交痛の治療・対策
性交痛に対して行える治療や対策について紹介していきます。
当クリニックで行っている治療
| 施術名 | 使用用途 | ||||
| ゆるみ | 性交痛 | 美白 | 萎縮数苔癬 | 尿漏れ | |
| ヨニハイフⅢ | ◎ | ○ | ✕ | ✕ | ◎ |
| ヨニRF | ◎ | ◎ | ✕ | △ | ◎ |
| モナリザタッチ | △ | ○ | 〇 (中程度) | ◎ | △ |
| フェムフロー | ○ | ○ | ✕ | ✕ | ○ |
| モナフロー | ○ | ◎ | 〇 | ◎ | ○ |
モナリザタッチ

炭酸ガスレーザーを膣壁や外陰部に照射することで、膣粘膜の線維芽細胞を活性化して新たなコラーゲン生成を促す、レーザー治療になります。
モナリザタッチとはフェムフロー
膣や外陰部に混合ヒアルロン酸と高濃度酸素を膣内と外陰部に噴霧し、外陰部のハリや柔軟性を回復させ、膣壁の厚みや潤いを取り戻す痛みのない治療です。
フェムフローについて詳しく知りたいモナフロー®
モナリザタッチとフェムフローを合体させた治療法です。モナリザタッチによるレーザー照射をした後に、混合ヒアルロン酸と高濃度酸素を膣内と外陰部に噴霧することで、二つの治療の効果をさらに高める治療になります。
モナフロー®について詳しく知りたいヨニRF(高周波)
小陰唇や膣口周辺、膣粘膜や皮下組織に高周波を照射する治療です。血流を改善させて細胞の新陳代謝を改善させることもできます。粘膜を傷つける施術ではなく非侵襲的治療で粘膜への負担が少ないため、痛みも少なく、ダウンタイムはほとんどありません。
ヨニRF(高周波)について詳しく知りたい処女膜切開術+ダイレーター挿入
処女膜強靭症や処女膜の伸びが良くなく、性交時に痛みを感じる人に対して処女膜切開術を行っています。
処女膜切開は、一部に切れ目を入れるか、輪状に処女膜を切るといった切開術があります。
「処女膜強靭症」か「処女膜閉鎖症」の診断がついた場合には保険適用になります。
手術自体は局所麻酔で行うのでほとんど痛みは感じません。術後の痛みに関しては鈍痛が出ることはあるかと思いますが、激痛はごくまれで、その後の日常生活に影響が出ることはめったにありません。
ただし、手術をすれば性交が可能になるわけではなく、術後もダイレーターを用いたトレーニングが必要になります。
切開した部分が元に戻って狭くなってしまうのを防ぐために行います。当日施術はできませんので、一度診察にて状況を医師が判断したうえでの施術を受ける流れになります。
気になる方はまずは診察予約をお願いします。
| 施術名 | 推奨施術回数 | 費用 |
| ヨニハイフⅢ | 1回 | 46,000円(税込) |
| ヨニRF | 3回 | 3回:90,000円(税込み) ※1回:40,000円(税込) |
| モナリザタッチ | 3回 | 3回:77,000円(税込) ※1回:33,000円(税込) |
| フェムフロー | 4回 | 4回:88,000円(税込) ※1回:33,000円(税込) |
| モナフロー | 2回 | 2回:77,000円(税込) ※1回:44,000円(税込) |
ご夫婦・カップルで取り組む対策
性交トレーニング
いきなり性交ではなく、まずは自身の体を知ることから始めましょう。
鏡で自分の膣の状態を見てみたり、膣の中に指を入れたりして、痛い部分や違和感が無いかなど確認してみましょう。
また、セルフプレジャーで、どこが気持ち良いか、どう触ると痛いかを探ってみるのも大切です。
ダイレーターや膣トレグッズでリラックスした気分で行ってください。
潤滑剤の使用
潤滑剤は膣の潤いをよくし、性交痛を和らげてくれます。いわゆるアダルトグッズのローションとは異なり、粘度や持続性、女性の膣の状態に合わせて作られているものを使用しましょう。
関連記事:膣が濡れない原因と対策を解説【産後・更年期は要注意】
パートナーとセックスについて話し合う
セックスはお互いの最終段階のコミュニケーションですから、お互いが安心、幸せ、心地良いというものであるべきです。
セックスは沈黙でするものではない、お互いが目を合わせて痛い場所、心地良い場所を話しながら行うのが理想です。
もし、体位に原因がある場合は体位の工夫が必要になりますし、間違ったテクニックを使ったままだと、相手にそれを伝えないとよりよいセックスはできません。
そのためにも、日ごろからパートナーとしっかり話し合いができる関係構築が大切です。セックスのこととなると話せない…といった場合は、本や何かのサイトを見せて相手に読んでもらうのもいいかもしれません。
性交痛の治療例・体験談
50代女性の難治例の性交痛
主訴:性交痛
施術前の治療:ホルモン補充療法や膣坐薬等で治療を試みるが、性交痛は改善しなかった。
施術内容:RFの施術を3回施行。2回目は、1回目から6日後、3回目は1回目から14日後、2回目の施術時に著明な改善が見られた。
術前
術後
(RF2回目後)
その他の患者様の体験談・ご感想
- A様(58歳):施術中も後も痛みが全くなかったこと。モナフローに比べ痛みが無い点は良いと思います。
- B様(57歳):お湯もれや尿もれ、乾燥感、性交痛などいろいろな症状が複合的に目に見えて改善するし、施術中痛みもないので、ぜひお勧めしたいです。
- C様(52歳):モナリザタッチ、モナフローと受けてきましたが、性交痛に関してはあまり大きな効果はなく、そんな中でRFを受けました。結果、モナリザタッチやモナフローよりはるかに改善したので、施術を受けてよかったです。施術中の痛みがないこともよかったです。
【FAQ】性交痛に関するよくある質問
性交痛治療は保険適用ですか?
女性ホルモン剤であるエストリール錠の使用、処女膜切開が保険適用になります。現在、性交痛は病気であっても保険適用の範囲が狭いため、多くの治療法は自費になってしまいます。
痛みが改善しない時はどうすればいいですか?
さまざまな治療法を検討し、ご提案することができますので、当院に受診していただければと思います。
どうして性交痛が起こるの?
もともと持っている体の構造的な問題や疾患が原因であることもあれば、ストレスや生活習慣の乱れなどから性交痛が起こることがあり、さまざまな原因でなります。
性交痛の治療方法は?治療期間はどれくらい?
治療法については、症状と痛みの希望に合わせて行います。治療期間については、性交痛の原因、治療法によって個人差があります。
レーザー治療で1回で効果が出る場合もあれば、処女膜切開術を行った後にダイレーターで拡張トレーニングを行い1ヶ月で性交できるようになる人もいれば、挿入に対する恐怖心がなくならなくて2年ぐらいかかってしまう人もいます。
パートナーが理解をしてくれないのですが…
ご自身の説得や話し合いで難しい場合は、当院で一緒にお話し、院長からパートナーに協力をお伝えすることもできますので、困った時は相談していただければと思います。
咲江レディスクリニックの性交痛治療の強み・特徴
「年齢が何歳であっても、必ずできるようにします」
10代から80代まであらゆる手を尽くします。
性交痛の治療の豊富な経験と豊かな症例数(初診患者年間500人)、豊かな治療経験にもとづくきめ細かな指導(パートナーへの伝え方や体位指導等)を行います。
ご予約はこちらから
この記事の監修者
咲江レディスクリニック院長丹羽 咲江
略歴
- 昭和60年4月
- 名古屋市立大学入学
- 平成3年3月
- 名古屋市立大学医学部卒業
- 平成3年5月
- 国立名古屋病院勤務(現名古屋医療センター)
- 平成8年4月
- 名古屋市立城北病院勤務(現名古屋市立大学医学部附属西部医療センター)
- 平成14年1月
- 咲江レディスクリニックを開院


