性行為やタンポンの使用時など、挿入時にいつも痛みを伴っていても、デリケートな悩みのせいで1人で抱え込んでしまいがちです。
そこで本記事では、膣への挿入時に痛みを伴う原因の一つである「処女膜強靭症」という症状について、性交痛を専門とする婦人科医が詳しく解説します。
あわせて、処女膜強靭症に対する医学的アプローチ方法、そして治療に対して当院でよくいただくご質問をご紹介します。
痛みの原因をはっきりさせて適切な治療を行い、悩みを解消したいとお考えの方はぜひ参考にしてください。
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Contents
本来、処女膜は厚さ1mm程度のヒダ状の膜で、人によって形状は異なるものの、中央に直径1~2cm程度の開口部分が存在します。
この処女膜が生まれつき厚く、硬く弾力に乏しい状態を処女膜強靭症と呼び、挿入時の痛みの原因の一つとして挙げられます。
処女膜強靭症の主な症状、そして症状に対してよくあるお悩みとして、次のようなことが挙げられます。
関連記事:【婦人科医監修】「膣が狭い」ことによる弊害と対処法を解説
処女膜強靭症は、婦人科での診察のほか、セルフチェックでもある程度予測することができます。
婦人科では、次の流れで診察が行われることが一般的です。
診察時には、一般的に膣内にプローブを挿入する経膣超音波検査は行わず、必要最低限の物理的診察で患者様の負担に配慮します。
以下の項目全てに該当する方は処女膜強靭症が疑われます。
ただし、痛みの原因にはさまざまな要因があるため「自分は処女膜強靭症なんだ」と自己判断せず、早めに医療機関を受診するようにしてください。
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処女膜強靭症の治療は、処女膜の一部に切れ目を入れたり、輪状に切開をしたりするといった外科的処置が必要です。
手術のやりっ放しでは傷がくっついてしまいます。せっかく切開した部分がくっついて元にの状態に戻ってしまわないように、当クリニックでは術後に院長が開発した膣ダイレーターという器具を使用したトレーニング指導を行っております。
初めは細いものから始めていただき、徐々に太いものへと変更していくことによって膣腔形成と柔軟性の向上を目指していただきます。
当クリニックでは、これまで処女膜強靭症の治療を多くさせていただいてきました。
そこで、処女膜強靭症に関してよくいただくご質問を回答とともにご紹介します。
今は性交しなくてもシリンジ法や人工授精、体外受精で妊娠できるようになりました。ただし、妊娠を考える前に、妊娠した後の診察で困らないようにまずは婦人科診察を受けられるような状態にしておく必要があります。
膣内性交ではなく、シリンジ法や人工授精で妊娠を試みるとしても、最低限婦人科の治療を受けられるようにしておくと安心です。
目安として、直径2cmのものが膣内に挿入できれば通常の内診は可能です。
手術といっても小手術ですので、当院では局所麻酔で行っています。
しかし、あまりに不安が強いと手術の際に動いてしまうなどの恐れがあるため、手術前に細いダイレーターを使用して、膣内挿入に少し慣れてもらってからの手術をお勧めしております。
すべての方がそうとは限りませんが、手術をすることで楽に挿入が可能になります。
はい、適応されます。
患者様によって異なります。
1ヶ月程で膣内挿入が可能になる方もいらっしゃいますが、処女膜強靭だけではなく、膣前庭炎も伴っていると術後1ヶ月程でRF等の治療等を加える必要があり、3ヶ月くらいかかる方もいらっしゃいます。
膣内挿入に対する恐怖感が強い場合は、ダイレーターでのトレーニングを続けていただきますが、緊張感が軽減して挿入可能になるまでにかなり時間を要する場合もあります。
ご予約はこちらから性行為時やタンポン挿入時などにいつも痛みを伴うと、痛みが辛いだけでなく、心にも負担がかかってしまいますよね。
特に性行為のたびに痛みを伴うと、自分だけでなくパートナーも性行為に対して不安や不満を抱いてしまう可能性もあります。
このような挿入時の痛みに関するお悩みを抱え、苦しんでいる方は、まずは咲江レディスクリニックへご相談ください。
患者様一人ひとりのお話をじっくりとお伺いし、デリケートな女性のお悩みをきめ細やかにサポートさせていただきます。