性交時の痛みや違和感・婦人科検診での不快感などから、自身の膣が狭いのではないかと考える女性は少なくありません。
本記事では多くの女性が「膣が狭い」と感じる原因や、放置するとどんな弊害があるのか、具体的な解決策と併せてご紹介します。
以下の動画では、咲江レディスクリニックの丹羽咲江院長が、久しぶりのセックスで膣が狭くなってしまっている場合の対処法について詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
膣が狭いと感じる方には、大きく分けて4つの原因が隠されている場合が多いといえます。
原因によってできる対策も異なるため、自身の状態をしっかりと把握するためにも、当てはまる原因について探っていきましょう。
女性ホルモンの一種である「エストロゲン」は、膣など粘膜の柔軟性や潤いを保つために重要な役割を担っています。
このホルモンの量が低下すると、膣の粘膜が乾燥し、萎縮して狭く感じる場合があります。
授乳によって一時的にエストロゲンが低下することもあれば、更年期を迎え慢性的に量が少なくなるケースも珍しくありません。
加齢によって肌が老化するとともに、膣の弾力が減少したり、血流が滞ったりする場合もあります。
弾力を失った膣は縮こまり、中が狭く感じやすくなります。
緊張や不安・性行為への恐怖心などがあると、骨盤底筋が強く収縮し、膣が狭く感じることがあります。
性交痛などほかの原因によってトラウマができている場合も、過剰な不安によって膣の状態に影響が及んでしまうでしょう。
ごくまれなケースではあるものの、生まれつき膣の構造が狭くできていたり、発達が不完全だったりする場合もゼロではありません。
この場合、経血の排出不良や、性交時に挿入がしづらいケースもあります。
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膣が狭いことによる弊害について解説します。
もっとも多く見られる弊害が「性交時の痛み」です。
膣が狭くなることによって摩擦が強くなり、痛みや出血を伴う場合があります。
膣内のうるおいが不足することで、女性器周辺の乾燥やかゆみ・炎症が起こりやすくなります。
うるおいのない皮膚はバリア機能が低下するため、普段であれば問題のないレベルの摩擦でも、傷や出血を招きやすい点に注意が必要です。
膣内の環境が悪化することにより、おりものの色や量・においに変化が生じる場合があります。
膣内は常に常在菌によって清潔な状態が保たれていますが、おりものに異常が生じると炎症のリスクも高まります。
骨盤底筋が緊張することで、排尿や排便がスムーズにできなくなる可能性があります。
同時に便秘気味になる方も多く、腹痛や肌荒れ・痔などさまざまなトラブルを引き起こす原因となります。
膣周辺の筋肉が慢性的にこわばることで、下腹部や腰周辺が常に痛むケースも珍しくありません。
こうし大変と膣の狭さは関連して考えにくく、そもそもの原因が分かるまでに時間を要する場合もあります。
性交が困難な状態が続くと、妊娠のチャンスを得ることが難しくなります。
また、膣の形状や閉塞が原因で、精子が正しく子宮に到達しにくくなることもあります。
膣の狭さによってさまざまな弊害が見られる場合、原因に合わせた適切な対処を行う必要があります。
女性ホルモンが不足して膣内の環境が悪化している場合、エストロゲンを補う「ホルモン補充療法」によって膣の粘膜を厚く保ち、柔軟性を改善する方法が適しています。
特に更年期以降の女性に有効です。
膣内の粘膜にレーザーを照射することで、刺激によってコラーゲンやエラスチンが増え、うるおいやハリが改善する施術です。
膣内の乾燥や痛みの緩和に効果的であり、メスや注射器を使わないためダウンタイムが短い点も魅力的です。
処女膜が強靭で性交を経験したにもかかわらず広がらずに性交痛の原因となってしまっている場合は、処女膜を切開する処置を行うこともあります。
ご予約はこちらから3つのサイズがあり、潤滑剤を使って膣に挿入し、徐々にサイズを大きくしていくことで膣内部を拡張する器具です。
性交時の恐怖感や痛みが強い方に有効とされており、将来的に妊娠を考えている方からも支持を集めています。
以下の動画で詳しい使用方法について解説しております。
当クリニックの公式オンラインショップ『WhiteRobe(ホワイトローブ)』でも取り扱っておりますので、ぜひご覧ください。
膣が狭いことはさまざまな弊害を生みますが、中でも妊娠・出産への影響は軽視できません。
将来妊娠を検討している方はもちろん、そうでない方であっても、女性の身体に関する知識として学んでおきましょう。
膣が狭すぎると性行為自体が困難となるため、妊娠の機会を逃してしまうことがあります。
経血や膣分泌物がうまく排出されずに内部へ溜まり、生殖器としての機能に支障をきたすことも考えられます。
膣が狭いということは、出産時に赤ちゃんが降りてくるだけの十分な広さが確保できないということでもあります。
すなわち自然分娩(経膣分娩)が難しく、帝王切開が検討されることもあるでしょう。
出産時の安全確保のためにも、妊娠前に一度婦人科で相談することをおすすめします。
ご予約はこちらから膣の狭さは、身体が発する何らかのサインと考えてよいでしょう。
単なる体質として放置するのではなく、ホルモン治療やレーザー治療・拡張器などの対策を検討しながら、婦人科で正しい原因を知ることが大切です。
本記事でご紹介した内容は、医療メディア「NERO」の「性交痛のヒリヒリ感はどこに相談すべき?婦人科でも珍しい「性交痛外来」の存在と強みとは【名古屋・咲江レディスクリニック 丹羽院長監修】」でも詳しく取り上げていただいております。ぜひあわせてご覧ください。