Column コラム

性行為後の出血で考えられる原因や受診すべきか判断すべきポイント

性行為後に出血があると、何かの病気が隠れているのではないかと不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

毎回のように出血する場合や痛みを伴う場合は、医療機関を受診する必要が出てきます。

本記事では性行為後に出血が起こる主な原因をはじめ、受診を検討する目安まで詳しく解説します。

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性行為後に出血が起こるのは珍しいこと?

結論からいえば、性行為後に出血が起こるのは決して珍しいことではありません

膣や外陰部は粘膜で覆われており非常にデリケートなため、摩擦や衝撃によって小さな傷ができやすい部位です。

乾燥していたり、体調が万全ではなかったりするタイミングでは、ほんの少しの刺激で出血する可能性があります。

ただし、繰り返し出血が起こる場合や量が多い場合、痛みなどほかの症状を伴う場合は注意が必要です。

これらの場合は婦人科にて出血の原因を探り、適切な処置を受けることが大切です。

性行為後出血の主な原因

性行為後に出血を伴う場合、原因に沿った正しい処置を行う必要があります。

続いては性行為後出血の主な原因を7種類ピックアップしてお伝えします。

普段の様子や症状と照らし合わせてご確認ください。

膣や外陰部の外傷

性行為中の摩擦や爪・避妊具などによる物理的な傷が原因となり、出血が起こる場合があります。

外陰部の傷は目で見て分かりやすいですが、膣内の傷は確認しにくい点が特徴です。

出血のほか、痛みや引きつれ感を伴うこともあります。

子宮頸管ポリープや腫瘍

子宮頸管にできる良性のポリープが擦れることにより、出血が見られるケースもあります。

良性であれば経過観察となる場合も多いですが、まれに悪性腫瘍の可能性もあるため、早い段階で婦人科を受診することが大切です。

子宮頸がんや子宮腟部びらん

「びらん」とは、粘膜がただれた状態を指します。

子宮の入口にある粘膜がただれると、痛みや出血・膿といった症状が現れます

また、子宮頸がんなど悪性腫瘍の初期症状でも不正出血が起こることがあり、自己判断で症状を決めつけることは危険です。

性感染症(STD)や炎症

クラミジアや淋菌感染といった性感染症や、膣炎・子宮頚管炎といった炎症も出血の原因となります。

おりものに出血が見られたり、痛みやかゆみ・ムズムズとした違和感を伴うこともあります。

ホルモンバランスの乱れ・排卵期出血

普段からホルモンバランスが乱れてしまう方はもちろん、月経周辺でホルモン量に変化が起きたタイミングでも出血する可能性があります。

また、排卵期はエストロゲンの量が急激に変動するため、少量の不正出血が起こることも珍しくありません。

萎縮性膣炎(更年期以降)

更年期以降に女性ホルモンが低下すると、膣の粘膜がうるおいを失って薄くなり、同じ刺激でも出血を起こしやすくなります。

痛みを伴いやすく、性交時のトラブルになるケースも多いといえます。

卵巣出血

排卵期の性交では、卵巣からの出血が起こる場合があります。

強い腹痛を伴うこともあり、性交痛として婦人科を受診する方も少なくありません。

関連記事:生理前の性行為で痛みが発生するのはなぜ?

性行為後の出血で受診すべきか判断するポイント

性行為後の出血は経過観察で問題ない場合もありますが、中には大きな病気が隠れている場合もあります。

受診の目安となるポイントを理解しておくとともに、有事の際に相談できるかかりつけ医を決めておきましょう。

受診を検討すべき主なポイント

以下のポイントに当てはまる方は、早めの段階で婦人科を受診する必要があります

  • 出血が2日以上続く場合
  • 出血量が多い、または生理のように大量に出血する場合
  • 出血が頻繁に起こる(性行為のたびに出血する)場合
  • 痛み、発熱、異常なおりもの(色・におい・量の変化)など、出血以外の症状を伴う場合
  • 出血に不安を感じている、または自身での手当てが難しい場合
  • 妊娠の可能性がある場合や、妊娠初期で出血がある場合

受診の必要が低いケース

一方、以下のようなケースでは、必ずしも受診が必要とは限りません

一度様子を見ながら、症状に変化がないか確認していきましょう。

  • 出血が少量かつ一時的で、1日程度で止まる場合
  • 明らかな外傷(爪の引っかかりや摩擦など)が原因と考えられ、他の症状がない場合

迷ったら受診すべき

問題がないことも多いとはいえ、出血の量や色だけで原因を特定することは難しいでしょう。

出血が少量であっても、繰り返したり不安が強かったりする場合は婦人科の受診をおすすめします。

関連記事:性行為後に下腹部が痛い!これって危険なサイン?

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【Q&A】性行為後の出血に関するよくある質問

最後に、性行為後の出血についていただくことの多いご質問に回答します。

性行為後に出血した場合は妊娠の可能性はありますか?

妊娠の可能性がゼロとは言い切れないものの、性行為直後の出血は外傷によるものがほとんどです。

不安な場合は妊娠検査を受けるか、婦人科で相談しておくことをおすすめします。

着床出血とその他の出血の違いはどう判断すれば良いですか?

まず知っておきたいのは、着床出血が「全員に起こるものではない」という点です。

これを踏まえた上で、以下に挙げた着床出血とその他の出血の違いを確認していきましょう。

特徴着床出血生理・その他の出血
発生時期性行為から1~2週間後、
生理予定日と重なることが多い
生理周期に合わせて発生、
不正出血は不定期
少量(おりものに混じる程度、
ナプキンが不要なことも)
生理は多め(ナプキンが必要)、
不正出血は様々
ピンク色、茶色、鮮血色など
個人差あり
生理は赤~暗赤色、
不正出血はピンク~赤褐色など
期間1~2日、長くても4日ほど生理は3~7日程度、
不正出血は様々
血の塊出ないことが多い生理では塊が出ることも
腹痛軽いチクチクした痛み程度生理痛は重いことも、
不正出血は症状による
その他症状妊娠初期症状(眠気・だるさ・吐き気)
が出ることも
特にないことが多いが、
病気の場合は痛み等あり

まとめ

性行為後の出血は、軽微な刺激による一時的なものであることが多く、すべてが異常であるとは限りません。

しかし、繰り返す場合や他の症状を伴う場合は、早期の婦人科検診を検討しましょう

安心して性生活を送るためにも、普段感じるちょっとした不安も気軽に相談することをおすすめします。