現在、日本で主流の避妊方法は、コンドーム、低用量ピル、ミレーナ(IUS)などです。
「避妊インプラント(皮下インプラント)」は、海外で広く普及している女性主体の避妊方法です。これは、小さな棒状のインプラントを二の腕の皮下に挿入する避妊法です。
日本ではまだ未承認ですが、世界保健機関(WHO)をはじめ多くの国際機関がその高い有効性と安全性を認めており、現在100か国以上で使用されています。「毎日ピルを飲むのが大変」「もっと確実な避妊方法を知りたい」方にお勧めの避妊法になります。
避妊インプラントは、直径2mm・長さ4cmほどの柔らかいスティック状の器具です。見た目は細い注射針のようで、二の腕の内側の皮膚の下に挿入するだけなので、施術時間は数分です。「エトノゲストレル」という黄体ホルモン(プロゲスチン)が含まれ、ごく微量ずつ、体内に持続的に放出されます。
ピルを飲むより金銭的にお得です。
ミレーナと比較して挿入後の診察も不要で、抜ける心配もありません。
上腕の内側・二の腕の皮下に埋め込みます。
女性の月経・ホルモンの分泌に対し、プロゲスチンだけを放出することで、排卵抑制をすることで月経痛や出血量を緩和する効果が期待できます。エトノゲストレルの持続放出により排卵が強力抑制され、頸管粘液粘稠化と子宮内膜萎縮も起こるため、避妊率は約99.95%になります。
診察~施術完了までの手順は非常にシンプルで、施術のトータルの所要時間は約10分で完了します。
お悩みやご要望を伺い、避妊インプラントについて説明いたします。
利き腕ではない方の腕を消毒後、挿入部分に局所麻酔を行います。
滅菌された使い捨ての専用器具で、挿入を行います。
傷口の圧迫、防水テープなどを貼ることで感染を予防し、施術終了。
通院は基本的に不要です。
エトノゲストレル製剤による全身性副作用は比較的少なく、安全性プロファイルは良好です。重大な合併症は稀であり、WHO や CDC(米国疾病予防管理センター)の評価では、インプラントは大多数の女性にとって使用制限のない選択肢と位置付けられています。
ネクスプラノンは製造元で3年間の使用が承認されています。エストロゲンを含まないため血栓症リスクは低く、授乳中でも使用可能です。
現在乳癌に罹患している場合(ホルモン感受性腫瘍)や重篤な肝疾患(活動性肝癌など)では使用禁忌。
それ以外のほとんどの疾患・状況下(思春期・未産婦、産後、肥満、高血圧や糖尿病など合併症を有する症例などでも)において、インプラントは安全かつ有効です。
多くの場合⽉経不順や不正出⾎が起こりますが、1/3程度の⽅は⽉経サイクルが落ち着き、無⽉経になります。
個⼈差がありますが、⾝体がホルモンバランスの変化に慣れていくと次第に落ち着きます。
数日間は挿入部周辺に内出血が発生することがあります。ほとんどの場合、自然とおさまります。
排卵前に施術することで次の⽉経から効果を得やすくなります。また、⾚ちゃんや⺟体への悪影響も報告されていないため、産後や授乳中の施術も可能です。
※産後の施術についてはクリニックによって判断が異なります
何かあれば、いつでもご相談ください。
診察料 | 5,000円(税込) |
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避妊インプラント挿入 | 55,000円(税込) |
自院抜去 | 15,000円(税込) |
他院抜去 | 25,000円(税込) |
横スクロールできます
避妊法 | 効果期間 | 費用(日本・目安) | 1年ごとの費用(当院の場合) | メリット | 主なリスク・デメリット |
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避妊インプラント | 3年 | 6~10万円前後(保険外/自費) | 2万円 | 診察不要、月経痛や月経前症候群(PMS)の改善 | 月経不順・不正出血(最多)、体重増加、気分変化、挿入部位トラブル等 |
経口避妊薬(ピル) | 毎日服用必要 | 月3,000~4,000円(自費) | 3万円 | 月経周期をコントロールしてスケジュール管理が可能、手軽にできる(毎日飲むだけ)、月経痛や月経前症候群(PMS)の改善 | 飲み忘れによる効果低下、吐き気やむくみなどの副作用、血栓症リスク、ごくまれに肝障害など |
IUD(子宮内避妊具) | 5年 | 5~10万円前後(保険外/自費) | 1.4万円 | 効果期間が長い(最長5年)、月経困難症の症状緩和、過多月経の改善、血栓症のリスクが低い | 挿入時の痛み、穿孔や感染リスク、不正出血、まれに排出されることあり、半年毎の診察が必要 |
避妊インプラントは事前にお電話でのご予約が必要です。ご希望の方は、必ずお電話をください。「興味がある」「自分に合っているか相談したい」など、まずはお気軽に診察にてご相談ください。
避妊インプラント | ミレーナ | |
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挿入箇所 | 二の腕の皮下 | 子宮内 |
含有ホルモン | エトノゲストレル | レボノルゲストレル |
効果持続期間 | 約3年間 | 最長5年間 |
生理への影響 | 約30%が無月経・軽減あり | 大半が経血量減少・無月経になる方も |
費用 | 当院の価格 | 4~8万程度 |
保険適用の有無 | 無し | 有り (※過多月経や月経困難症と医師から診断された場合) |
※どちらが適しているかは体質やライフスタイルによって異なります。
場合
エストロゲンを含まないため、血栓症リスクが低く、喫煙者やBMIが高い方にも適用される可能性があります。また、授乳中でも施術可能です。
経膣分娩の経験がある場合は痛みを感じにくい傾向にあります。一方で、経験がない場合には挿入しにくい、装着時に多少の痛みが伴う可能性があります。
避妊インプラントは一度の施術で約3年間の効果が持続し、日常生活への影響も少ないのが特徴です。定期的な診察は不要で、忙しい方に適しています。また、定期的な診察は不要です。
※違和感を感じた場合は受診を検討してください。
ミレーナは最長5年間の効果があります。
しかし、いつの間にか位置がずれてしまったり、抜けてしまったりというケースもありますので、定期的に婦人科で検診が必要になります。
利き腕ではない方の腕を消毒後、挿入部分に局所麻酔を行います。麻酔時は、注射のチクっとした痛みがあります。
滅菌された使い捨ての専用器具で、挿入を行います。先端に針がついていますが、局所麻酔が効いているため、痛みは感じません。挿入部分の縫合の必要はありませんが、数日間は挿入部の周りに内出血が発生することがあります。しかし、時間の経過とともに目立たなくなっていくため、ご安心ください。
避妊インプラントを挿入した腕は、予防注射、血圧測定、美容施術(強い圧を加えるマッサージ、レーザー治療、脂肪吸引など)が行えません。また、挿入部分への強い圧迫や衝撃によって、皮下組織内で避妊インプラントが破損する可能性があります。運動の際には十分ご注意ください。
ご来院後、診察を行い、避妊インプラントが正しい位置に挿入されているかを確認します。
挿入された側の腕を消毒して、局所麻酔を行います、麻酔時は、注射のチクっとした痛みがあります。
メスで皮膚を数ミリ程度切開し、皮下に埋め込まれたインプラントを取り除きます。この際、麻酔が効いているため痛みはありません。除去は、鉗子と呼ばれる先の丸いハサミのようなものを用いて引き抜きます。
避妊インプラントを継続する場合は、除去を行った切開部、もしくは違う箇所から新しいインプラントを挿入します。継続せずに除去のみの場合は、抜去後に止血を行い、切開部分が塞がるまで包帯を巻いておきます。止血後、切開部を数針縫うこともありますが、抜去時に行った麻酔が効いているため、痛みは感じません。
最大3年間もの効果が持続する避妊インプラントですが、3年の間であればいつでも除去が可能です。除去後はおおよそ1か月で体内のホルモンバランスが元に戻ります。