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妊娠中と授乳中の薬について

 母親学級などをやっていて、比較的多い質問が妊娠中と授乳中の薬のこと。
 妊娠と気づかずに薬を飲んでしまい、妊娠していることがあとからわかり、ずいぶん心配する人をしばしば診察する機会があります。妊娠中に薬を飲むと、妊娠中の赤ちゃんになんらかの影響が出ることがあります。妊娠中の薬は最小限にするべきではありますが、病気治療のために薬を飲まないといけないこともあります。
 また、お産のあと授乳中にお母さんが飲んだ薬も母乳に出てきます。すなわち、お母さんが飲んだ薬を赤ちゃんも、飲むことになるのです。
 今回は妊娠中、授乳中に飲んだ薬の影響についてお話します。

(1)妊娠中にくすりをのむと
 妊娠中に薬を飲むと、胎盤を通過して赤ちゃんに移行します。薬の種類、飲む時期、量などによって赤ちゃんにおよぼす影響がちがってきます。
妊娠3週末まで(妊娠第1月中)
   →薬の影響はほとんどありません
妊娠4〜15週(妊娠第2〜4月)
   →お腹の赤ちゃんのかたちに影響をおよぼす可能性があります
妊娠16週以降(妊娠第5月以降)
   →薬の種類によってはお腹の赤ちゃんに影響をおよぼす場合があります
妊娠3週末までに薬を飲んだ場合の影響
 受精前や妊娠のきわめて早い時期に飲んだ薬で影響を受けた場合、卵子が受精の能力を失うか、受精しても着床しなかったりして妊娠早期に流産するといわれています。体にながくのこる薬でなければ心配ないとされています。

妊娠4〜15週末までに薬を飲んだ場合の影響
 この期間は器官形成期といわれ、お腹の赤ちゃんの脳、心臓、胃腸、手足など重要な部分が形づくられる時期で、もっとも薬の影響を受けやすい時期です。できれば薬を飲むのはできるだけさけたほうがいい時期ですが、妊娠中でも薬を飲まないといけないこともありますので、担当の医師と良く相談してくださいね。

妊娠16週以降に薬を飲んだ場合の影響
 お腹の赤ちゃんへの薬の影響は考えにくい時期ではありますが、薬の種類によっては赤ちゃんに影響が出る場合があります。薬を飲む場合には、たとえ市販の薬でも医師に相談してからにしましょう。

(2)授乳中の薬の影響
 お母さんが薬を飲むと、ごくわずかではありますが母乳中から薬が出ます。薬を一時的に少しだけ飲む場合にはほとんど心配ないといわれています。
 お母さんの病気のため長期にわたって薬を飲む必要があるときは、赤ちゃんに影響をおよぼす心配もあるので、その場合母乳をやめて人工栄養(粉ミルク)に切り替えることもあります。

(3)薬を飲んでいるときの妊娠
 糖尿病やてんかん、甲状腺の病気、喘息、精神疾患などの慢性疾患でくすりを継続的に飲んでいる方で、妊娠を希望するときや妊娠したとき。自分の判断で薬をやめてしまうことはやめましょう。これらの持病がじゅうぶんコントロールされていない場合には、妊娠中に病気が悪化したり、病気が悪化することによって妊娠中毒症が発症したりしてかえって妊娠経過が悪くなってしまうこともあります。
 なにか持病があって薬を継続的に飲んでいる人が妊娠を希望する場合や、妊娠が判明した場合には、おなかの赤ちゃんに影響のないような薬にかえたり、薬の量を調節したりしますので、担当医師のアドバイスを積極的にうけるようにしましょう。

(4)男性が薬を飲んだ場合の影響
 男性の飲んだ薬の影響はまずないといっていいでしょう。(あっても稀です)
薬の影響を受けた精子は、受精能力を失うか、受精したとしても妊娠早期に流産するといわれています。

(5)市販の目薬、はり薬、塗り薬の影響
 目薬や塗り薬、はり薬はほとんど心配はありません。お母さんの血液中に吸収されて赤ちゃんに影響をおよぼす可能性は極めて低いと考えられています。

(6)市販の下剤の影響
 強すぎる下剤を使うと、その刺激のためにお腹がはりやすくなることがあります。市販の下剤を飲む場合には、担当の医師に相談してからにしましょう。
 などなど、妊娠中や授乳中に飲んだ薬って気になりますよね。
 薬は成るべく使わなくてもいいように、日頃から健康に気を使うようにしましょうね。

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