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| ●最近のSTDの傾向 |
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女性では、性器クラミジア感染症がもっとも多く、ついで性器ヘルペス、トリコモナス症、淋病、尖形コンジロームの順といわれており、最近では性器クラミジア感染症の増加、咽頭淋菌感染症が増えてきています。
トリコモナス症は減少していますが、性器ヘルペスはわずかに増加、淋病、尖形コンジロームは横ばいで推移しています。
■クラミジア感染症
男女ともに患者のもっとも多いSTDです。その数は年々増加しており、20〜24才の女性では15.6人に1人がかかっているという調査結果もあり、その蔓延が心配されています。
女性の生殖器に感染すると「子宮頚管炎」を、男性の尿道に感染すると「尿道炎」をひきおこします。
《症状と特徴;女性》
潜伏期は1〜3週間。70%以上の人は無症状で、感染したことに気づかずに放置されがちです。子宮の入り口で子宮頚管炎を起こし、おりものが増えてきます。さらに感染が卵管や卵巣、腹膜などにおよぶと下腹部痛(便秘による痛みと区別がつきにくいようなお腹の下のあたりの痛み)、性行為時の痛みがみられます。
この時点で気づかずに炎症がすすむと、卵管が狭窄(きょうさく)したり骨盤の中で卵管が癒着(ゆちゃく)したりして、不妊症や子宮外妊娠の原因となることがあります。
まれに感染が上腹部までひろがり、はげしい腹痛をおこして救急外来へ運ばれることもあります。
また、妊娠中にクラミジアに感染していると、流産や早産の原因になったり、出産のとき産道感染によって、生まれてくる子どもがクラミジアによる結膜炎、肺炎になったりすることもあります。
《症状と特徴;男性》
潜伏期は1〜3週間です。外尿道口からの分泌物、かゆみ、かるい排尿痛などをともなう尿道炎や、陰嚢のはれ、いたみ、発熱をともなう精巣上体炎などがみられます。尿道炎は一般に軽症で、約5%に精巣上体炎を併発します。
《検査》
尿検査や血液検査、検査用綿棒をつかってクラミジアを採取する方法等があります。
《治療》
早期発見すれば抗生物質を約2週間内服することでなおすことができます。しかし自分だけ治療しても、未治療のパートナーから再感染する可能性がありますので、同時にパートナーの治療も必要です。症状が軽快しても投与されたくすりはきちんとすべて内服しましょう。
■淋菌感染症、淋病
淋菌という細菌によっておこる感染症です。クラミジア感染症と同じく、蔓延が心配される病気です。
《症状と特徴;女性》
子宮の入り口(子宮頚管部)で炎症をおこすと、黄色い膿のようなおりものがでることがあります。男性とくらべると無症状のことも多く、感染したことに気づかず放置されがちです。これが蔓延の原因になっています。感染がすすみ骨盤のなかで炎症がひろがると、半数以上の患者さんに発熱、下腹痛がみられます。さらに気づかず放置してしまうと不妊症の原因となることもあります。
妊婦が感染していると、産道で赤ちゃんに感染し、赤ちゃんが結膜炎を起こすことも。
また、男性が淋菌性尿道炎のとき、オーラルセックス(フェラチオなど)によって女性の咽頭や扁桃に感染、淋菌感染症の感染源になっているケースが増加しています。さらに咽頭感染の場合はのどの痛みなどの炎症症状がほとんどないことが多いため放置されることが多く、淋菌感染蔓延化の原因になっています。
《症状と特徴;男性》
潜伏期は3〜10日。尿道炎では、排尿痛と膿の排出がみられます。放置しておくと精巣上体に炎症を起こし、陰嚢のはれやいたみを生じることがあります。
《検査と診断》
男性の診断は特徴的な膿排出をともなう尿道炎がおこるため比較的容易です。女性の診断は症状がわかりにくい場合が多いので、おりものを採取して検査をします。
《治療》
抗生物質(セフェム系、ペニシリン系、スペクチノマイシン系)などで治療します。しかし近年薬剤に耐性を持つ(薬が効きにくい)淋菌も増えてきています。したがって淋菌が陰性になった(いなくなった)ことを確認する必要があります。治療直後の検査では、一過性に菌量が低下して見せかけの陰性になることもありますので、治療後10日以上の休薬期間をおいたのち再検査をする必要があります。
■トリコモナス症
トリコモナス原虫によっておこる膣炎です。最近では減少傾向にあります。ほとんどは性行為で感染しますが、浴場、便器、タオル、手指などから感染することもあります。年齢的には30〜40才代が多く、他のSTDより年齢層が高いことが特徴です。
《症状と特徴;女性》
潜伏期は4〜20日です。外陰部のかゆみ、灼熱感と、悪臭をともなう黄色膿性のおりものが特徴です。
《症状と特徴;男性》
男性では尿道炎がみられることもありますが、無症状のケースもあります。
《治療》
抗原虫薬(メトロニダゾール)で治療します。
性感染症に感染すると、誰がどこから、誰を相手にもらってきたのかということが問題となり、パートナーとの関係が破たんすることがあります。また、患者さんから一体どこから感染したのかということもよくきかれます。
多くの性感染症は性行為を介して感染するものがほとんどですが、すべてがそうとは限りません。
大切なのは、性感染症に感染したとき、片方が治療しただけでは不完全ということ。
もしパートナーが感染していたら、自分は治療がすんだのに、また再感染することになります。二人とも検査(再検査)をして異常がないとはっきりするまでは、性行為を避けるか、必ずコンドームを使用するようにしてください。
また症状が軽くなった、無くなったからといって、治療を途中でやめたり、受診を途中でやめることはしないようにすること。症状がないからといって完全に病気が無くなったわけではありません。 |
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